
梅田芸術劇場にて新感線の「蜉蝣峠」を観劇。
古田新太+堤真一だし、結構新感線のフルキャストだし、楽しみに行きました。古田さんがダークヒーローなんですよね。そんで「パンク」とついていて、結構はっちゃけてるだろうなあと思っていたら、思った方向とは別にはっちゃけてました。
見始めて思ったのが、この間見た「パンク侍・斬られて候」となんとなーーくリンクするということ。パンクで時代劇っていったらこういう感じになるのかしら。ダークヒーローものってのもかぶるし・・・そんな訳でちょっとだけブルーな予感を感じつつ観劇(詳しくは「パンク侍」の感想を見てください)
<こっから先ネタバレにつき注意>
新感線とクドカンのコラボは「メタルマクベス」以来でした。以前の自分の感想に
「新感線らしさを分かった脚本家さんをお迎えしてやるのも面白いかなあと思いました」
と書いてあって、とても面白かったので、期待したんですが、結論からいえば
「新感線はパンクじゃない」
ということか!?
いや、私がパンクというジャンルと合わないのかもしれません・・・いやね、一抹の後味悪さがね。「パンク侍」の時はそれでも突き抜けちゃってる感があって「おお、これもありか!」と結構楽しんで見たんですが、新感線という劇団には、どうしてもある種の爽快さとか痛快さとかを求めてしまってるようで、「うーん、見たかったのとちょっと違う」というのが感想です。
古田さんの闇太郎があんまり魅力的に思えなかったというのが、私的に一番もったいなかったです。ピカレスクの「リチャード三世」とかがものすごくはまってたもんで、それと比較しちゃったっていうのもあります。記憶を失ってるというのがポイントかな。古田さんにはもっと悪を肯定するような役柄を演って欲しかったというか。
堤真一さんの天晴がとてもいい男でカッコいいんですが、「ええ!?なんでそこまで黙ってたの??」とか「えええ、それじゃお泪ちゃんが可哀想~!」というシーンがあって、彼の行動が全く合理的でないので、感情移入できずらかったです。古田さんと堤さんが入れ替わった役なら、もっと感じ方が違ったかもしれませんが(記憶喪失の美男って、やっぱほだされますよねえ)
宮藤さんもいのうえさんも、ファンの期待をいい意味で裏切る脚本と演出を目指していたのかもしれませんね。ああ、度量の狭いファンですいません。でもね、新感線にはやっぱり「美しさ」とか「かっこよさ」とか「悪の美学」とか「破滅の美」とか「どんでん返し」とかを求めてしまってる私。歌舞いて欲しいわけですよ!新感線ファンのみなさまはどう思われたかなあ?時代劇だと、どうしても中島脚本と比較してしまいますね。銀之助のラスト近くの行動がどうも不条理で、こういうのもクドカンならではなんだろうな~と思いました。
↑でいろいろ書きましたが、とても楽しめるシーンも多く、やはり行ってよかった思いました。粟根・高田・橋本・右近・逆木の演技は、もう健在!!お腹を抱えて笑わせていただきました。橋本さん、やっぱいいわ~!皆さん割と出ずっぱりで大活躍でしたね。
こっから大阪駅で、こっちに嫁に来たSちゃんと落ち合ってお茶。久々にいろいろお話できて楽しかったです。こっから神戸へ移動。
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