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2010/07/10

長谷川燐二郎展

すごいよかった!
お休みの日ですが、ちょっと仕事がらみでこちらの美術展に。

「無窮を見つめた画家 長谷川燐二郎展」
(*燐は本当はサンズイです)

これ、超おすすめ!!私の上半期のベスト1の美術展になりました。
日曜美術館の特集も見てまして、まあこのくらいかなあと思っていた予想の、はるか上の感動を味わえました。
本当に「本物を、実物を、足を運んで見てください!」と言いたいです。地元でなかったら行っていなかったと思われ、本当によかったと思いました。

会場全体に流れる静謐な空気。その密度が濃くて、ひたすら絵を見つめるという、絵画の感動の原点を味合わせていただきました。なんだろう、この感動は、本当に理屈じゃありません。最初期から晩年までの全てを網羅しているので、とてもこの作家を感じることができるのです。
「目の前にあるものを描く。しかし、それは実物によって生まれる内部の感動を描くのが目的ですから、実物を描いているとはいえません。つまり私が描いているのは実物ではありません。しかし、それは実物なしでは生まれない世界です」
作家が洲之内徹に語った言葉だそうです。
対象を見つめることで、この作家が表現したかった内面的世界を、よく表している言葉だと思います。
有名な飼い猫のタローを描いた作品は、本当に出色のできで、「完成しないうちにタローが死んでしまい、洲之内にせかされて、ヒゲを片方だけ、申し訳程度に描いた」という有名なエピソードと相まって、こちらに静かな感動を与えてくれます。作家の猫に対する愛情が(こんな安っぽい言葉で表したくないんだけど)すごく感じられて、よかったです。
パリ留学して、芭蕉や蕪村のことばに揺り動かされ「パリの風景は巴里人にまかせればいい、私は日本の自然を研究することが、私たちの仕事ではないかと思うようになってきた」と語り、帰国して、その言葉通りに、日本の風景を描きはじめる長谷川の姿を想像して、創作の原点というか、なにかに突き動かされて描くことができる幸福を彼の中に感じて、すごく絵が描きたくなりました。

館長さんにもお会いして、「いい展覧会ですね」と言うと、「そうでしょう、この展覧会は静かに見て欲しいから、本当はギャラリートークはしたくないんですよ」とおっしゃっておられました(午後から館長自らのギャラリートークがあったので)。お互いに「今年度の美術展のベスト10に必ず入りますよね!」と盛り上がってしまい、いい美術展って人を動かせるんだなあと思いました。

一回りじゃ足りずに、3回くらいじっくり見てしまいました。ああ、来てよかったー。
私は「武蔵野冬景」と「キャラメル」の絵が欲しかったなあ。あれなら家に掛けられる。

小さい作品群がとても勉強になりました。
機会があれば是非!8月15日までです。HPはこちら
全国巡回もするそうです。

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