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2011/01/30

ハーブ&ドロシー

ハーブandドロシー
美術館の近くで行きたかった映画をちょうど昨日からやってたので、Rちゃんにつきあってもらって行ってきました。
「ハーブ&ドロシー」

<公式サイトより>
郵便局員のハーブと、図書館司書のドロシー、夫婦共通の楽しみは現代アートのコレクションだ。選ぶ基準はふたつ。
1,自分たちのお給料で買える値段であること
2,アパート(1LDK)に入る大きさであること
慎ましい生活の中で約30年の歳月をかけコツコツと買い集めた作品は、いつしか20世紀のアート史残す作家の名作ばかりに!そんなふたりに、アメリカ国立美術館から寄贈の依頼がやってきて……。

というドキュメンタリーの映画です。美術好きな人は必見だと思います。私も2人のそうそうたるコレクションを見たいと思って行った訳ですが、これはこの二人の生き方そのものが「アート」なんだと思いました。
だってコレクションを「売らない」というしばりがあるんですよ。クロースとかクリストの作品を持ってて、次のコレクションするためにローン組んだりして、それなら一つ売ればいいじゃないと、普通の人ならそう思うしそうすると思う。でもそうしない。それが彼らの「美学」なんです。こういう生き方を貫けるということがもう普通じゃありません。「小さなアパートに暮らすごく普通の老夫婦」っていう宣伝文句にダマされてはいけません。あの2人はものすごい知識と審美眼をもっていて、それでこそのコレクションですわ。だって作家本人よりも作品のよしあしが分かってる。悩む作家のスケッチの中から「これとこれはシリーズにふさわしくない、だから安く売ってくれ」なんて、言えませよ普通!自分の目と嗅覚にものすごい自信があるんだと思います。ハーブは特に「ハンター」のよう、と作中でも紹介されていますが、天性のものがあるんでしょうね。ドロシーも「私はハーブに教えてもらったから」とかいいながら、あれだけあるNYの美術画廊を回って、よい美術展を見つけ出すなんて、よっぽどのキュレーターでなきゃできませんわ。でもこれ、現代のおとぎ話みたいなところもあって、そこが映画(夢)になってるんだなあ。
それにしてもあの狭いアパートから巨大引っ越しトラック5台分の美術作品が搬出されるという「絵」には笑ってしまいました。すごいやそれ、どうやってしまってたの!?もう生活そのものが「アート」な2人でした。
好きを極めたら人生豊かになるよ・・・こういう人生もいいよね、と励まされるような映画です。しみじみといいので、ミニシアター系ですが、お近くで見られそうなときは是非。公式サイトはこちら
それにしてもクリストとジャンヌ=クロードの猫の世話をするかわりにコレクションを増やすのはちょっとうらやましいですね。4人のディナーでの会話を聞いてみたい。きっとNYの美術を俯瞰することができます。

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